専用線プロダクトGA(Global Acceleration)とは?

1. はじめに

久しぶりにブログ書きます。piyohikoです。

お気づきの方もいらっしゃるとは思いますが、最近、Alibaba Cloudではネットワークに関するプロダクトが大幅にアップデートされています。Express Connectや、以前ご紹介したCEN(Cloud Enterprise Network)などなど。今回はその中の一つである、Global Acceleration(GA)をご紹介します。

2. GAとは?

GAはAlibaba Cloudのバッグボーンネットワークを利用し、システムをユーザの近いリージョンから接続できるようにすることができるサービスです。例えば、中国のユーザが日本にあるシステムを利用する際に、Alibaba Cloudの中国リージョンにエンドポイントを作成し、バックボーンネットワークを通して日本システムにつなぐことができるようになるものです。
グローバルに利用できる、専用線つきのEIPといったイメージでしょうか。もちろん、設定も簡単でほぼGUIで操作ができます。ルーティングの設定も不要です。
※もちろん中国で利用する際には、法規制に引っかからないようにライセンスの取得やしかるべき対処が必要です。

3. ユースケース

GAを利用することで、下記の通り日本にあるシステムを、距離の離れたアメリカや、特殊なネットワーク事情のある中国からも、比較的安定して接続できるようにすることができます。他のリージョンに同スペックのサーバーを構築することなく、グローバルにビジネスを展開するのに向いています。

このため、他リージョンでのサーバー運用のコスト削減、グローバルネットワークの設計やサーバーの同期が不要になるケースもありえます。
では、どのように利用可能かみていきたいと思います。

4. 中国から日本サーバーへのアクセスを実現する

日本リージョンに構築したWebサーバー(ECS)に、北京リージョンのGAを経由して接続する一番スタンダードなケースを実現してみました。接続確認は、疎通確認用のECSから行いました。

4−1. 構成図

4-2. GAの購入

4-2-1. GAを購入します

GAは独立したサービスではなく、VPCの中から利用することができます。
[VPC]-[Global Acceleration]-[インスタンスの作成]を選択します。

4-2-2. 各項目を選択します

『アクセラレーションエリア』で、高速化したいエリア(ここでは中国)を選択します。

『リージョン』で、高速化したいリージョン(ここでは北京)を選択します。

『サービスエリア』で、サービス提供元エリア(ここでは日本が含まれているエリア)を選択します。

『ピーク帯域幅』を選択します。

※バインドするエリア、帯域幅によって料金が変動します。詳しくはこちら

4-2-3. 日本リージョンと北京リージョンにECSを作成します

IPアドレスは構成図の通りです。

4-2-4. 日本リージョンのECSにapacheをインストールして、index.htmlを作成します。

[root@ECS-Tokyo ~]# yum -y install httpd

〜省略〜

[root@ECS-Tokyo ~]# cd /var/www/html/
[root@ECS-Tokyo html]# vi index.html

<html>
<body>
<h1>Hello GA!</h1>
</body>
</html>
:wq

[root@ECS-Tokyo html]# systemctl restart httpd

4-2-5. GAに日本リージョンのECSをバインドする
[バインドする]をクリックします。

『バックエンドサービスリージョン』で、サービス提供元リージョンを選択します。

『インスタンスタイプ』で、[ECS]または[SLB]を(ここではECS)選択します。

『バインドするインスタンス』で、バインドするインスタンス名を選択します。

因みに、当たり前ですが「60.205.207.137」は中国のグローバルアドレスです。

4-2-6. バックエンドサービスの有効化

日本リージョンのECSにネットワークサブインターフェイスを ECS インスタンスに追加します。

[root@ECS-Tokyo ~]# vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0:1

DEVICE=eth0:1
 IPADDR=172.24.145.238
 NETMASK=255.255.255.255
 ONBOOT=yes

[root@ECS-Tokyo ~]# ifup eth0:1


4-3. 動作確認

4-3-1.  アクセス確認

北京のECSから、GAのIPアドレスに向けてcurlコマンドを実行します。

curl 60.205.207.137
<html>
<body>
<h1>Hello GA!</h1>
</body>
</html>

4-3-1.  pingコマンド確認

北京のECSからGAのIPアドレス(専用線経由)向けにpingコマンドを実行します。

[root@ECS-Beijing ~]# ping 60.205.207.137
PING 60.205.207.137 (60.205.207.137) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 60.205.207.137: icmp_seq=1 ttl=57 time=55.9 ms
64 bytes from 60.205.207.137: icmp_seq=2 ttl=57 time=55.9 ms
64 bytes from 60.205.207.137: icmp_seq=3 ttl=57 time=55.9 ms
64 bytes from 60.205.207.137: icmp_seq=4 ttl=57 time=55.9 ms
64 bytes from 60.205.207.137: icmp_seq=5 ttl=57 time=55.9 ms
64 bytes from 60.205.207.137: icmp_seq=6 ttl=57 time=55.9 ms
64 bytes from 60.205.207.137: icmp_seq=7 ttl=57 time=55.9 ms
64 bytes from 60.205.207.137: icmp_seq=8 ttl=57 time=55.9 ms
64 bytes from 60.205.207.137: icmp_seq=9 ttl=57 time=55.9 ms
64 bytes from 60.205.207.137: icmp_seq=10 ttl=57 time=55.9 ms

北京のECSから、日本ECSのパブリックIP(インターネット経由)に向けてpingコマンドを実行します。

[root@ECS-Beijing ~]# ping 47.91.30.18
PING 47.91.30.18 (47.91.30.18) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 47.91.30.18: icmp_seq=1 ttl=48 time=61.8 ms
64 bytes from 47.91.30.18: icmp_seq=2 ttl=48 time=62.1 ms
64 bytes from 47.91.30.18: icmp_seq=3 ttl=48 time=61.9 ms
64 bytes from 47.91.30.18: icmp_seq=4 ttl=48 time=62.1 ms
64 bytes from 47.91.30.18: icmp_seq=5 ttl=48 time=62.0 ms
64 bytes from 47.91.30.18: icmp_seq=6 ttl=48 time=61.9 ms
64 bytes from 47.91.30.18: icmp_seq=7 ttl=48 time=61.8 ms
64 bytes from 47.91.30.18: icmp_seq=8 ttl=48 time=61.9 ms
64 bytes from 47.91.30.18: icmp_seq=9 ttl=48 time=62.1 ms
64 bytes from 47.91.30.18: icmp_seq=10 ttl=48 time=61.9 ms

やはり、インターネット経由だとパケット到達時間に揺れ幅があります。(早朝に実行した時には100msくらいでした・・・)

4-3-3.  アクセスログ確認

東京のECSのアクセスログを確認してみます。

[root@ECS-Tokyo httpd]# tail access_log
59.110.158.65 - - [21/Sep/2018:10:41:13 +0800] "GET / HTTP/1.1" 200 50 "-" "curl/7.29.0"

ちゃんと、北京ECSのパブリックIPアドレスからになっていました。このように、数ステップで簡単に専用線で接続することができるようになります。リージョンごとにサーバーを構築する必要もないので、使い方によってはネットワークのアクセスコストを大幅に削減できそうです!!

5. まとめ

最後にGAを利用して実現できることについてまとめます。

<実現できること>

  • グローバルインターネットアクセスの改善
  • グローバルサービスを1つのリージョンに集約
  • 他リージョンにリソースを作らなくて良い
  • グローバルネットワークをシンプルにする
  • 構築・運用・ネットワーク設計不要により、工数大幅削減


冒頭で説明した通り、他にも専用線(グローバルネットワーク)プロダクトはいくつかあります。どれを使った方がお得か、効果が出やすいかなど、迷われた時には是非お問い合わせ下さい!

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