Global Traffic Managerが日本リージョンでリリースされたので、何が新しいか比較して見た

初めてブログを書かせて貰います。
SBクラウド11月入社のソリューションアーキテクトTERAOです。これから、よろしくお願いします!

さて、2018年11月29日 Global Traffic Manager (GTM) が、日本リージョンでベータリリースされました。6か月の間は無料でご利用頂けるので是非ご利用ください。。

GTM は、DNS でロードバランシング や フェールオーバー が出来るプロダクトです。一般的なロードバランサはネットワークやAZを超えない範囲で利用されますが、グローバルサーバロードバランサはリージョンや国、クラウドサービスをまたいでロードバランシングできるのが大きな特徴です。

でも、よく考えると、Alibaba Cloud DNS ( 以下 DNS ) で、すでに 重み付けラウンドロビン で ロードバランシング は出来ました。では、GTM はさらに何が出来るのか? 見ていきたいと思います。

早速使いたいという方、コンソールはこちら

 

GTMのメリット

メリットをサイトからピックアップしてみると、こんな感じです

  • マルチヘルスチェック
    Ping、TCP、HTTP(S) のヘルスチェックを使用して、アプリケーションサービスのステータスを取得できます。
  • DNS フェールオーバー
    アクティブなサーバーで障害が発生した場合は、DNS フェールオーバー機能により、使用できない IP アドレスの隔離とスタンバイサーバーへのトラフィックの切り替えが自動的に行われます。
  • ロードバランシング
    ラウンドロビンと重み付きラウンドロビンを使用してトラフィックを管理できます。
  • インテリジェント DNS
    インテリジェント DNS サービスにより、複数の異なるネットワークやリージョン内の最適な IP アドレスをユーザーに返すことができ、アプリケーションサービスへのアクセスが高速化されます。

ふんわりと分かりますが、まだ微妙な感じです。

GTMのコンソールはどこにあるの?

実際のサービスを使ってみようと思いますがプロダクトの一覧の中にはありませんでした。どこ? と思ったら、 Alibaba Cloud DNS 内の機能として実装されていました。

Alibaba Cloud DNS  には、Basic DNSとEnterprise DNS の2つの権威 DNS のプランが有ります。そこに Global Traffic Manager が追加された感じです。

比較して見るべく、機能を一覧表にしてみましたので、こちらを見てください。

 

DNS と Global Traffic Managerの比較表

 

Basic DNS Enterprise DNS Global Traffic Manager
ドメイン DNS Zone単位 DNS Zone単位 レコード単位
CNAMEで利用
ノード 主に中国上海、中国張北、中国深セン、中国杭州 米国東部、米国西部、シンガポール、香港、オーストラリア、中国張北、中国杭州 見つけられず
Enterpriseと同じ?
可用性 99.9999% 99.9999%
DDoS保護
最小TTL 10分〜1日(固定値) GUI: 1秒〜1日 1分〜10分
Aレコード数上限 10 10〜90 20 (*1)
DNS QPS × ○ 2〜50万Qps
アクセス元判定 中国ISP各社、検索エンジンロボット、中国本土以外 中国ISP各社、検索エンジンロボット、中国本土以外、アジア、ヨーロッパ、北米、南米、アフリカ、オセアニア、各国レベル グローバル、中国本土各地、中国ISP各社、アジア、ヨーロッパ、北米、南米、アフリカ、オセアニア
ヘルスチェック × × ○ (HTTP/HTTPS, Ping , TCP)
DNS フェールオーバー × ×
ヘルスチェック、例外ログ等 × ×

*1. アドレスプール内のIPアドレス数上限。アドレスプールは最大10

 

サービスの特徴のちがい

一覧から読み取れるサービスの特徴を挙げていきたいと思います。

Basic/Enterprise DNS はゾーン単位、Global Traffic Manager はレコード単位
GTMは、CDNなどと同じようなレコード単位で利用します。
マルチクラウド・マルチリージョン
DNS / GTM 共に、マルチクラウド・マルチリージョンで利用可能です。 事業者や地理をまたいだロードバランシングなどに活用できます
とにかく無料が良い場合は Basic DNS を使う
Basic DNS は中国にしか DNS サーバが無いため、オススメはしない
日本からの利用は Enterprise DNS 推奨 (最小36円/月)
Basic DNS と Enterprise DNS では、DNS クラスタがそもそも異なり、Enterprise は中国国外に多くの DNS を配置している
ロードバランシング視点での選択
・ヘルスチェックが必要なければ、Enterprise DNS (Basicでも)だけで、ラウンドロビン、重み付けラウンドロビンが可能
・ヘルスチェックが欲しい場合は、 Enterprise DNS + Global Traffic Manager を使う
・ドメインのオリジン名には、CNAME が利用できないので、 Enterprise DNS だけでロードバランスせざるを得ない
GTM ではフェールオーバーが出来る
アクティブなサーバ群(デフォルトアドレスプール)が全滅した場合などに、スタンバイのサーバ群(フェールオーバーアドレスプール)(たとえばDBを使わないでも表示できるメンテナンス画面を表示するサーバなど)へフェールオーバーする事が出来ます。DNS では フェールオーバーアドレスプール が指定出来ません。
ヘルスチェックなどのログが記録可能
ヘルスチェックの異常や、アドレスプールの切り替えなどが発生した場合はログに記録されます。ログについての詳細
エリア別トラフィック制御が必要な場合
Enterprise DNS では国レベルまで(有料)のアクセス元判定ができましたが、GTM では大陸レベル (広い。。。) までのトラフィック制御しか出来ないようです。

 

つまり、Alibaba Cloud DNS を使うのか、Global Traffic Manager を使うのか?  ではなく、組みあわせて使う事が想定されているサービスだと分かりました。GTMのプロダクトアーキテクチャは、こちらに良くまとまっていますのでこちらも参照してください。

ここで上げた代表的な違い以外にも細かな良い機能がいくつもありますので、是非触ってみてください。

Alibaba Cloud DNS ドキュメント
Global Traffic Managerドキュメント
GTM コンソール

 

本投稿は、公開時点の公開情報、コンソールなどを確認して記載をしていますが、正確性・完全性は現時点および未来ににおいて保証いたしません。あらかじめご了承ください。

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